アセチレンの性質と反応：高校生が知っておくべきポイント

アセチレン（C₂H₂）は、三重結合を持つ不飽和炭化水素で、非常に反応性が高い化合物です。

以下に、アセチレンの性質、反応、および高校生が注意すべき点について詳しく解説します。

性質

1. 構造: アセチレンは直線構造を持ち、炭素原子間に三重結合が存在します。
2. 物理的性質: 無色で、わずかに甘い臭いを持つ気体です。水にはほとんど溶けませんが、有機溶媒には溶けやすいです。
3. 燃焼性: アセチレンは酸素と反応して非常に高温（約3000℃）の炎を発生します。この酸素アセチレン炎は溶接や切断に利用されます。

反応

1. 付加反応: アセチレンは三重結合を持つため、付加反応が起こりやすいです。
   • 水素の付加: 白金やニッケル触媒の存在下で水素を付加すると、エチレン（C₂H₄）やエタン（C₂H₆）になります。
   • ハロゲンの付加: 臭素や塩素と反応して、ジハロゲン化物（例：1,2-ジブロモエチレン）を生成します。
   • 水の付加: 硫酸水銀（II）触媒の存在下で水を付加すると、ビニルアルコールが生成されますが、これは不安定でアセトアルデヒドに変化します。
2. 重合反応: アセチレンは高温で触媒を用いると、三分子が重合してベンゼン（C₆H₆）を生成します。
3. 酸性の性質: アセチレンは非常に弱い酸としての性質を持ち、銀イオンや銅イオンと反応して沈殿を形成します（銀アセチリド、銅アセチリド）。

高校生が注意すべき点

1. 安全性: アセチレンは爆発性が高いため、取り扱いには十分な注意が必要です。特に、密閉された容器内での点火は絶対に避けてください。
2. 換気: アセチレンの燃焼時には煤（スス）が発生するため、実験を行う際は十分な換気を行いましょう。
3. 保管: アセチレンガスは高圧ガスとして保管されることが多いですが、適切な圧力と温度管理が必要です。

アセチレンは非常に興味深い化合物ですが、取り扱いには十分な注意が必要です。