アセチルサリチル酸(C₉H₈O₄)の性質と反応:高校生が知っておくべきポイント

※ 本ページはプロモーションが含まれています。
性質
(1) 基本情報
アセチルサリチル酸(C₉H₈O₄)は、一般的に「アスピリン」として知られる化合物であり、解熱鎮痛薬として広く使用されています。サリチル酸のヒドロキシ基(-OH)がアセチル化(-COCH₃)されることで生成されます。
(2) 物理的性質
- 無色または白色の結晶性粉末
- 水にはやや溶けにくいが、エタノールやエーテルには溶けやすい
- 酸性を示し、加水分解されるとサリチル酸と酢酸を生じる
(3) 化学的性質
- 弱酸性を示し、水中で部分的にイオン化する
- 加水分解によりサリチル酸と酢酸に変化(特にアルカリ条件下で促進される)
- アセチル基(-COCH₃)の存在によりサリチル酸よりも胃の刺激が少ない
反応
(1) 加水分解反応
アセチルサリチル酸は加水分解によりサリチル酸(C₇H₆O₃)と酢酸(C₂H₄O₂)を生じます。
反応式:
C₉H₈O₄ + H₂O → C₇H₆O₃ + C₂H₄O₂
特に塩基性条件(NaOH水溶液中)では加水分解が進みやすくなります。
(2) エステル化・アセチル化反応
アセチルサリチル酸の合成は、サリチル酸に無水酢酸を作用させることで行われます。
反応式:
C₇H₆O₃ + (CH₃CO)₂O → C₉H₈O₄ + CH₃COOH
この反応により、サリチル酸のヒドロキシ基がアセチル化され、アスピリンが生成されます。
(3) 鉄(III)イオンとの呈色反応
アセチルサリチル酸はフェノール性ヒドロキシ基を持たないため、Fe³⁺(鉄(III)イオン)を加えても呈色反応を示しません。しかし、加水分解により生成するサリチル酸はフェノール性ヒドロキシ基を持つため、Fe³⁺と反応して紫色を呈します。
高校生が知っておくべきポイント
- アセチルサリチル酸はエステルの一種であり、加水分解によりサリチル酸と酢酸を生じる。
- サリチル酸はフェノール性ヒドロキシ基を持つが、アセチルサリチル酸は持たないため、鉄(III)イオンとの呈色反応の有無で区別できる。
- アスピリンは酸性を示すため、胃の負担を考慮して服用する際には注意が必要。
- 医薬品としての重要性が高く、鎮痛・解熱・抗炎症作用があるが、過剰摂取すると副作用(胃潰瘍や出血傾向)がある。
アセチルサリチル酸は化学的にも興味深いだけでなく、医療や日常生活においても重要な物質です。高校化学で学ぶ内容と関連が深いため、しっかりと理解しておくとよいでしょう。
・前に進めない「停滞」こそが悩みの本質
・脳科学的にも「言葉」には不安を鎮める効果がある
分かりやすい!是非、手にとって読んでみてください。
リンク