酢酸(CH₃COOH)の性質と反応:高校生が知っておくべきポイント

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性質
酢酸(さくさん、acetic acid)は、化学式 CH₃COOH で表される有機化合物の一種です。
一般的に「お酢の成分」として知られ、その独特の酸っぱい匂いを持っています。
物理的性質
- 無色の液体で、強い刺激臭を持つ。
- 水とよく混ざり合い、水素結合の影響で高い沸点(約118℃)を持つ。
- 濃度が高い場合、皮膚や粘膜に対して刺激性がある。
化学的性質
- 酸性を示し、水溶液中で一部が電離して水素イオン(H⁺)を放出する。
- 酸の強さ(酸解離定数, Ka)は約1.75×10⁻⁵(弱酸に分類される)。
- 有機酸の中でも比較的強い酸性を示す。
- アルコールと反応してエステルを形成する(エステル化反応)。
反応
酢酸の電離
CH₃COOH ⇌ CH₃COO⁻ + H⁺
酢酸は水中で部分的に電離し、酢酸イオン(CH₃COO⁻)と水素イオン(H⁺)を生じます。
このため、強酸(HClなど)と比べて弱い酸性を示します。
酸・塩基との反応
- 金属との反応(水素発生) Mg + 2CH₃COOH → (CH₃COO)₂Mg + H₂
- 塩基との反応(中和反応) NaOH + CH₃COOH → CH₃COONa + H₂O
エステル化反応
アルコールと反応してエステルを形成する。
CH₃COOH + C₂H₅OH → CH₃COOC₂H₅ + H₂O(酢酸エチルの生成)
この反応は硫酸を触媒として進行し、香りのあるエステルを作るため、香料や溶剤の製造に利用されます。
酢酸の酸化還元反応
- 酢酸は酸化されにくいが、強い酸化剤(例えば過マンガン酸カリウム)を用いると、二酸化炭素と水にまで分解されることがある。
高校生が知っておくべきポイント
酢酸の重要な性質
- 水溶液中で部分的に電離する「弱酸」であること。
- 分子間に水素結合が働き、沸点が比較的高いこと。
- エステル化反応により香りのある化合物を生成すること。
酢酸の応用
- 食酢:料理や保存料として使用。
- 化学工業:エステルやプラスチックの原料。
- 医薬品:抗菌作用を利用して消毒剤としても活用される。
酢酸は日常生活にも関わる身近な化学物質です。高校化学では、その性質や反応をしっかり理解し、化学反応の基礎として活用しましょう!
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