力のモーメントとは?高校生のポイント ~わかりやすく解説!

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私たちは日常生活の中で、ドアを開けたり、スパナでボルトを回したり、ブランコを押したりと、「回転する動き」をよく見かけます。
これらの動きの背後にある物理的な考え方が「力のモーメント」です。
モーメントは、力が「回転」を生み出すはたらきを数値で表すもので、「回す力の大きさ」を決める重要な概念です。
力のモーメントの基本
ある点(回転の中心)を O とし、その点から力を加える点までの距離を r(腕の長さ)、加えた力を F とします。
このとき、回転させる効果(モーメント)は、次の式で表されます。
M = F × r
ここで、
- M:モーメント(N·m)
- F:力の大きさ(N)
- r:力の作用線と回転中心との垂直距離(m)
この式から分かるように、同じ力でも、距離が長いほど大きなモーメントが得られるということです。
つまり、「長い棒のほうが回しやすい」のは、モーメントが大きくなるからなのです。
モーメントの向き
モーメントには「回転の向き」もあります。
- 時計回り → 正
- 反時計回り → 負
とするのが一般的です(あるいは逆の場合もありますが、問題で指定されます)。
複数の力が加わるときは、それぞれのモーメントを正負で足し合わせて、合成モーメントを求めます。
モーメントのつり合い
物体が回転せず静止しているとき、力のモーメントはつり合っています。
これを モーメントのつり合いの条件 といいます。
ΣM = 0
つまり、時計回りのモーメントの合計と、反時計回りのモーメントの合計が等しいとき、物体は回転しません。
M_右回り = M_左回り
例:てこの問題でよく使われます。
「てこの支点を中心として、左右のモーメントが等しい」とき、てこは水平に保たれます。
てこの原理との関係
てこの原理は、まさにモーメントの考え方を応用したものです。
「支点からの距離」と「力の大きさ」をうまく組み合わせることで、小さな力でも大きな物体を動かすことができます。
F1 × r1 = F2 × r2
この式で、小さい力でも距離(r)が長ければ大きな力を打ち消すことができることがわかります。
これは「てこの原理」として古代から使われており、アルキメデスも「てこを与えれば地球を動かすことができる」と言いました。
実生活での例
- ドアノブはドアの端についている → 力の距離を大きくして、モーメントを増やすため
- スパナの柄が長い → 少ない力でボルトを回すため
- シーソー → 支点をずらしてバランスを取ることで、軽い人でも重い人を持ち上げられる
高校物理・大学入試でのポイント
大学入試では次のようなポイントがよく出題されます。
- つり合い条件の計算
→ 力と距離の関係を用いて、未知の力や距離を求める。 - 複数の力のモーメント
→ それぞれのモーメントを符号付きで合計して考える。 - 分布力(重心)のモーメント
→ 棒全体の重さを重心に集中させて計算する。
みんなの声
💬 「ドアを押す位置で、開けやすさが全然違う理由がやっとわかった!」
💬 「スパナやハンドルの“長さ”が物理的に意味あると知って、ちょっと感動した。」
💬 「てこの問題は苦手だったけど、“モーメントがつり合う”と考えるとスッキリ理解できた!」
まとめ
- 力のモーメントとは、力が回転を生み出すはたらきのこと。
- 公式は「
M = F × r」。距離が長いほど回転しやすくなる。 - 静止している物体では、「
ΣM = 0」が成り立つ。 - てこの原理や日常生活の動作の多くが、この法則で説明できる。


