銅(Cu)の性質と反応:高校生が知っておくべきポイント

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性質
銅(Cu)は、赤みを帯びた金属で、古くから人類に利用されてきました。以下のような特徴があります。
- 展性・延性が高い:薄く延ばしたり、細い線にすることが可能。
- 電気伝導性・熱伝導性が高い:電線や鍋の材料として広く使われる。
- 酸化されにくい:空気中で錆びにくく、美しい光沢を保つ。
- 合金としての用途が広い:真鍮(銅+亜鉛)、青銅(銅+スズ)など、多くの合金に利用される。
反応
銅は比較的安定した金属ですが、特定の条件下ではさまざまな化学反応を示します。
- 酸との反応
- 希塩酸や希硫酸には反応しない(イオン化傾向が低いため)。
- 濃硝酸や熱濃硫酸とは反応する。
- Cu + 4HNO₃ → Cu(NO₃)₂ + 2NO₂ + 2H₂O
- Cu + 2H₂SO₄ → CuSO₄ + SO₂ + 2H₂O
- 酸化反応
- 空気中では酸化しにくいが、長期間放置すると緑青(ろくしょう)と呼ばれる緑色の錆(Cu₂(OH)₂CO₃)ができる。
- 酸素と加熱すると酸化銅(CuO)を生じる。
- 2Cu + O₂ → 2CuO
- その他の反応
- アンモニア水と反応して深青色の錯イオン([Cu(NH₃)₄]²⁺)を形成。
- 硫化水素(H₂S)と反応して黒色の硫化銅(CuS)を生成。
高校生が注意すべき点
銅の実験を行う際には、以下の点に注意しましょう。
- 濃硝酸や熱濃硫酸を扱うときは換気を徹底する
- 反応により有害な二酸化窒素(NO₂)や二酸化硫黄(SO₂)が発生するため、ドラフト内で行う。
- 酸化銅を還元する実験では、加熱後の試験管の取り扱いに注意
- 高温になっているため、急に触らないこと。
- 緑青は有毒ではないが、清掃時には手袋を着用することが望ましい
- 一般的な環境では危険性は低いが、食品用途では避ける。
- 電気伝導性の実験では、ショートに注意
- 銅線を使った回路実験では、安全に配線すること。
以上のポイントを押さえて、銅の性質と反応をしっかり理解しましょう!