ダニエル電池とは?高校生にもわかる化学エネルギーのしくみ

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私たちの身の回りのあらゆる電池。その基本原理を最初に確立したのが「ダニエル電池」です。
高校化学でもっとも有名な電池で、化学反応を利用して電気を生み出す仕組みを学ぶ上での「原点」と言えます。
■ ダニエル電池の基本構造
ダニエル電池は、次のような構造になっています。
- 負極:亜鉛(Zn)板を硫酸亜鉛(ZnSO₄)水溶液に浸す
- 正極:銅(Cu)板を硫酸銅(CuSO₄)水溶液に浸す
- 塩橋(または素焼き板):イオンの通り道として両液をつなぐ
この2つの液と金属板を電線でつなぐと、電子が流れて電流が生じます。
■ 電気が流れるしくみ
ダニエル電池では、亜鉛と銅の「電子のやりとり」によって電流が生まれます。
負極(酸化反応)
Zn → Zn²⁺ + 2e⁻
正極(還元反応)
Cu²⁺ + 2e⁻ → Cu
全体の反応式
Zn + Cu²⁺ → Zn²⁺ + Cu
つまり、電子は亜鉛 → 銅の方向に流れます。
この電子の流れが外部回路では「電流」として観測されるのです。
■ 電池の電圧(起電力)
理論的な電圧(起電力)は、標準電極電位を使って次のように求められます。
E° = 0.34V − (−0.76V) = 1.10V
つまり、ダニエル電池の起電力は 1.10ボルト です。
これが「化学エネルギーが電気に変わる」瞬間のエネルギー差ですね。
■ 生活にどう役立つの?
ダニエル電池自体は古い形式ですが、その原理は今のあらゆる電池に受け継がれています。
たとえば:
- 🔋 乾電池も、金属の酸化還元を利用
- 🚗 車の鉛蓄電池も、同じしくみで電流を取り出す
- 📱 スマホのリチウムイオン電池も、電子の移動で電気を生み出す
つまり、現代社会のあらゆる「電源」は、ダニエル電池の子孫と言えるのです。
■ 大学入試でのポイント
- 酸化・還元反応式をきちんと書けること。
- 電子の流れる方向(亜鉛 → 銅)を理解しておくこと。
- 起電力(E°)の計算が出題されることも多い。
- 塩橋の役割(電気的中性を保つ)が問われやすい。
👉 特に「どちらが負極か?正極か?」を間違えやすいので要注意です!
■ みんなの声
💬「実験で実際に電球が光ったとき、“電気って化学反応から生まれるんだ!”と感動しました!」
💬「ZnとCuの反応を覚えると、他の電池もスッと理解できる!」
💬「電池の基本はダニエル電池。これが分かると試験で強い!」
■ まとめ:ダニエル電池は電気化学の出発点
ダニエル電池は、単なる古典的な電池ではありません。
化学反応から電気が生まれるという、人類にとっての大発見を示した装置です。



