弾性衝突と非弾性衝突の違い:高校生のポイント〜“戻る”衝突と“くっつく”衝突〜

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まず「衝突」ってどんな現象?

2つの物体が短い時間で力を及ぼし合う現象を「衝突」といいます。
ビリヤードの玉がぶつかる、車が追突する、ボールが壁に跳ね返る——
これらはすべて“衝突”の一種です。

そして、このとき大切なのが
👉 運動量保存の法則

衝突の前後で、全体の運動量は変わらない

しかし、実際には「エネルギー」の扱いが異なります。
ここで登場するのが、
弾性衝突非弾性衝突の違いです。

🎯弾性衝突とは?

弾性衝突とは、

衝突の前後で、運動量もエネルギーも両方保存される衝突

つまり、「勢い」も「エネルギー」もそのまま!
一瞬つぶれてもすぐ元に戻るような衝突です。

💡代表的な例

  • ビリヤードの玉同士の衝突
  • 硬い金属球がぶつかる
  • ゴムボールが床に跳ね返るとき

🔢数式で書くと

運動量保存:

m₁v₁ + m₂v₂ = m₁v₁' + m₂v₂'

エネルギー保存:

½m₁v₁² + ½m₂v₂² = ½m₁v₁'² + ½m₂v₂'²

エネルギーが熱や音にならない理想的な衝突です。

🧲非弾性衝突とは?

非弾性衝突は、

運動量は保存されるが、運動エネルギーは一部失われる衝突

ぶつかったときに「変形」や「熱」「音」といった形にエネルギーが逃げるんです。

💡代表的な例

  • 車同士の衝突(へこむ)
  • 粘土玉が壁にくっつく
  • 野球ボールがグローブに収まる

🔢数式で書くと

運動量保存は成り立つけど、

½m₁v₁² + ½m₂v₂² > ½m₁v₁'² + ½m₂v₂'²

つまり、**エネルギーが減る(別の形に変わる)**ということです。

⚖️弾性衝突と非弾性衝突の違いまとめ

項目弾性衝突非弾性衝突
運動量保存される保存される
運動エネルギー保存される一部失われる
代表例ビリヤード、ゴムボール車の衝突、粘土玉
結果はね返るくっつく、または変形
エネルギーの行方すべて運動に戻る熱・音・変形に変わる

🏠生活の中の「衝突」

実は、日常生活で起こる衝突のほとんどは非弾性衝突です。

  • 交通事故の衝撃吸収(ボディが変形してエネルギーを逃がす)
  • スポンジボールの衝突(力を吸収して安全)
  • スポーツでの衝突(衝撃吸収材の役割)

一見“エネルギーが失われている”ように見えて、
実は「別の形(熱・音・変形)」に変わっているだけ。
ここでもやはり、エネルギー保存の法則が生きています。

🎓大学入試のポイント

「弾性衝突」と「非弾性衝突」は、
力学の頻出テーマです。特に
「運動量保存+エネルギー保存」を組み合わせて考える問題がよく出ます。

✅ よく出るパターン

  • ビリヤード型の衝突:弾性衝突
  • 台車がくっつく問題:非弾性衝突
  • ロケットや弾丸の反動:非弾性型

✅ 入試でのコツ

  • 「反発係数 e」を使って見分けよう!
     👉 弾性衝突:e=1、非弾性衝突:e<1(完全非弾性では e=0)
  • 衝突後の速さを求めるときは、運動量保存の式を立てるのが基本
  • 弾性衝突のときは、エネルギー保存も一緒に立てるとすぐに解けます。

💬みんなの声

🧑‍🎓「“エネルギーは減るけど運動量は保たれる”って、最初は不思議だったけど、今は意味が分かって面白い!」

👩‍🏫「反発係数 e=1 と e=0 を比べて理解するのが早道。グラフで整理するとスッキリします。」

👨‍🔧「車のボディが“ぐしゃっ”と潰れるのは、乗ってる人を守るため。非弾性衝突をうまく使ってるんですよ。」

🧘‍♀️「弾む衝突とくっつく衝突…なんだか人間関係にも通じる気がしますね(笑)」

🌍まとめ:「衝突=エネルギーの変身劇」

弾性衝突と非弾性衝突の違いを理解すると、
ただ「ぶつかった」だけでなく、エネルギーの行方が見えてきます。

エネルギーは消えない。
ただ、形を変えて次の動きに受け継がれていく。
これが物理の面白さであり、自然の美しさです。

🧠【まとめポイント】

覚えること内容
弾性衝突運動量とエネルギーの両方が保存
非弾性衝突運動量は保存、エネルギーは一部失われる
完全非弾性衝突ぶつかってくっつく(e=0)
入試のコツ「反発係数」と「保存式」を使い分ける

✍️最後に

衝突の世界は、
見た目は単純でも、エネルギーと運動の深い物語が隠れています。
弾むボールも、くっつく粘土も、どちらも自然のルール通りに動いているだけ。

あなたの“努力”も衝突のように形を変えて、
いつか必ず跳ね返ってくるかもしれません。

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