Gmailの“受信トラブル&セキュリティ”ここ5年で何が変わったか — 学校メールが届かない件

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近年、Gmailまわりの「受信できない」「勝手に迷惑メールに入る」「外部サービスとつながらない」といったトラブルが増えたように感じる方も多いはず。
特に学校や教育現場だと、保護者連絡や出欠連絡が届かないと大問題になります。ここ5年(主に2020年代後半〜2025年)での“主要な進化”と、学校関係の受信トラブルの原因と対策を分かりやすくまとめます。
1)大きな流れ:認証(SPF/DKIM/DMARC)と「安全基準」の強化
Googleはメール偽装やなりすまし対策として、送信ドメインの認証ルールを厳格化してきました。
特にDMARC(ドメイン認証ポリシー)を守っていない送信元は、「迷惑メール」や「拒否(reject)」の対象になりやすくなっています。大手メール受信側(Gmail含む)がDMARCの“拒否/隔離”ポリシーを重視するようになったため、組織側でSPF/DKIM/DMARCを正しく設定していないと届かないケースが増えました。
学校ドメインや保護者側のメール配信システムが古い認証設定のままだと、結果として「Gmailに届かない」問題が頻発します。特に教育機関はDMARC導入率が低めで、フィッシングの標的にもなりやすい点が指摘されています。
2)「Less Secure Apps(LSA)」の廃止とOAuth移行
Googleは「パスワードだけでログインする古い方式(LSA)」を段階的に廃止しています。
結果として、古いメールクライアント(設定がパスワード直打ちのもの)やシステム連携が使えなくなる/設定変更が必要になるケースが出ました。学校の業務システムやプリンター通知、古いスマホアプリ経由で受信していたメールが届かなくなった例もあります。管理者はOAuth対応やアプリパスワードの利用へ移行する必要があります。
3)大量配信(Bulk Sender)ルールの強化
マーケティングや一斉配信に関する「バルク送信者ガイドライン」やTLS要件も強化され、配信元の品質(スパム率、エンゲージメント、認証設定)が厳しく評価されます。
不適切な配信はGmail側でブロックや隔離の対象になります。学校側が保護者向けに一斉送信するツールを外部に委託している場合、そのツール側が最新基準に合っているか確認が必要です。
4)フィッシング対策の高度化と教育業界への攻撃増加
AIや機械学習を使った事前スキャンや、OAuthを狙うフィッシングが増えたため、Googleは配信前により厳しく判定を行います。
教育機関は特に標的にされやすく、攻撃の影響で受信ポリシーを強めた結果、正当なメールまで弾かれることがありました。管理者向けの“教育向け防御チェックリスト”も公開されています。
学校で「Gmailが届かない」ことが起きた主な技術的原因
- 送信側(学校や委託業者)のSPF/DKIM/DMARC設定が未整備。→ Gmailが拒否または隔離。
- 外部の一斉配信サービスがGoogleのバルク基準に合わずブロックされる。
- 受信側のフィルタ設定や「迷惑メール」学習で誤判定(保護者の個人設定やスマホアプリの挙動)。
- 古いクライアント/システムがLSA廃止で接続不能になっている。
学校・保護者がすぐにできる現実的対策(チェックリスト)
- 送信ドメインのSPF、DKIM、DMARCを設定し、DMARCを「p=quarantine」→最終的に「p=reject」へ段階的に上げる(運用確認をしながら)。
- 外部配信業者に「GoogleのBulk Sender Guidelinesに準拠しているか」「TLSが有効か」を確認する。
- 管理者はGoogle Workspaceの“高度なフィッシング対策”や教育向けチェックリストを参照して設定を強化する。
- 保護者には「受信できない場合は迷惑メールフォルダ/フィルタ設定/ブロックリストを確認してもらう」「学校ドメインを連絡先に登録してホワイトリスト化する」ことを案内。
- 古いメールソフトを使っている場合はOAuth対応クライアントへ、あるいはアプリパスワードの検討を(ただし管理者方針に従う)。
みんなの声
- 「ある日から保護者の半分が『届いていない』と連絡。調べたら配信業者のDKIMが切れていた」 — 学校事務。
- 「年度替わりに一斉配信で届かない人が続出。原因は古い配信ツールが新基準に未対応だった」 — PTA運営。
- 「先生の個人Gmailは届くのに、学校の公式@schoolドメインからは迷惑メールに逃げることがある」 — 教員。
これらは認証設定と配信品質に原因が集中しています(上で挙げた技術的要因に合致)。
まとめ
ここ5年での最大の変化は「受信側(Gmail)が送信元の“信頼性”を徹底的にチェックするようになった」ことです。
教育現場では「技術的な設定不足」と「外部サービスとのミスマッチ」が主な火種。まずは管理者が認証(SPF/DKIM/DMARC)と配信業者の準拠確認を行い、保護者へ受信設定の簡単な案内を出すのが最短の改善策です。参考にできる公式ガイドや教育向けチェックリストもありますので、管理者は早めに確認を。



