硝酸(HNO₃)の性質と反応:高校生が知っておくべきポイント

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性質
硝酸(HNO₃)は、化学的に重要な無機酸の一つであり、以下のような特徴を持ちます。
- 強酸性:水に溶けると完全に電離し、水素イオン(H⁺)を放出するため、強い酸性を示します。
- 酸化力が強い:硝酸は酸化剤として働き、多くの金属や有機物と反応します。
- 揮発性がある:濃硝酸は揮発しやすく、刺激臭のある無色または淡黄色の液体です。
- 光や熱に不安定:硝酸は光や熱の影響を受けて分解し、二酸化窒素(NO₂)を発生させます。このため、褐色ビンに保存されます。
反応
硝酸はさまざまな物質と反応し、特徴的な生成物を生じます。
金属との反応
硝酸は多くの金属と反応して水素を発生せずに溶解します。このとき、金属の種類や硝酸の濃度によって異なる窒素酸化物(NO、NO₂ など)が発生します。
- 希硝酸との反応(例:銅)硝酸は反応性が高く、特に金属との反応が重要です:
- 銅との反応:
希硝酸: 3Cu + 8HNO₃ → 3Cu(NO₃)₂ + 2NO + 4H₂O
濃硝酸: Cu + 4HNO₃ → Cu(NO₃)₂ + 2NO₂ + 2H₂O - 銀との反応:
希硝酸: 3Ag + 4HNO₃ → 3AgNO₃ + NO + 2H₂O
濃硝酸: Ag + 2HNO₃ → AgNO₃ + NO₂ + H₂O - 鉄との反応:
Fe + 4HNO₃ → Fe(NO₃)₃ + NO + 2H₂O - これらの反応では、硝酸の濃度によって生成物が異なることに注意が必要です。
王水の形成
濃硝酸と濃塩酸(HCl)を 1:3 の割合で混ぜると「王水」となり、金や白金のような不活性な金属も溶解できます。
- 王水による金の溶解
タンパク質との反応(キサントプロテイン反応)
硝酸はタンパク質に含まれるベンゼン環と反応し、黄色に変色させる「キサントプロテイン反応」を示します。この性質を利用して、タンパク質の検出ができます。
高校生が注意すべき点
硝酸の取り扱い
- 硝酸は強酸かつ強い酸化剤であるため、皮膚に触れると危険です。取り扱う際は ゴム手袋 や 保護メガネ を着用しましょう。
- 揮発性があり、刺激臭が強いため、換気をしながら 使用することが重要です。
- 濃硝酸は光で分解するため、褐色ビン に保存します。
金属との反応による有毒ガスの発生
- 銅や銀などの金属と反応すると 二酸化窒素(NO₂) が発生します。これは赤褐色で有毒な気体なので、密閉された空間で実験しないように注意しましょう。
衣服や皮膚への影響
- 硝酸が衣服につくと、黄褐色に変色することがあります。これはタンパク質との反応によるものです。
- 皮膚に付着するとやけどのような損傷を引き起こすため、すぐに大量の水で洗い流す 必要があります。
まとめ
硝酸は非常に重要な化学物質であり、強酸性や強い酸化力を持つため、多くの反応に関与します。
しかし、取り扱いには注意が必要であり、特に換気や保護具の使用を徹底することが求められます。
高校の化学実験でもよく登場する硝酸ですが、安全に使用しながらその特性を理解していきましょう!
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分かりやすい!是非、手にとって読んでみてください。
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