ホイヘンスの原理とは?高校生のポイント~光の広がりのしくみ

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光はまっすぐ進むように見えますが、実は障害物のすき間を通ると広がったり、波のように干渉したりします。
こうした「光の波としての性質」を説明するうえで欠かせないのが、ホイヘンスの原理(Huygens’ Principle) です。
この記事では、ホイヘンスの原理の考え方、図解的なイメージ、生活への応用、そして大学入試のポイントをわかりやすくまとめます。

ホイヘンスの原理とは?

ホイヘンスの原理は、オランダの物理学者 クリスチャン・ホイヘンス(Christiaan Huygens) が17世紀に提唱しました。
この原理は、光を「波」として考えたときに、その波がどのように進んでいくかを説明する考え方です。

ホイヘンスの原理の内容を簡単に言うと、こうなります👇

「波面上のすべての点が、同じ速さで広がる小さな波(素元波)を出す。そして、それらの包絡面が次の瞬間の波面をつくる。」

つまり、波の進行は点の集まりから広がる小さな波の合成によって生まれる、というわけです。

図でイメージしてみよう

たとえば、水面に石を落とすと波が広がりますね。
このとき波の輪の上の各点を考えると、そこからまた小さな波が広がっていきます。
それらの波の外側をつないだ線が、次の波の位置(波面)になります。

光も同じように、空気中や水中などを波として伝わっていくのです。

ホイヘンスの原理で説明できる現象

ホイヘンスの原理を使うと、光のさまざまな現象を理解することができます。

  1. 反射の法則
     波面が鏡面に当たるとき、入射角と反射角が等しくなることを説明できます。
  2. 屈折の法則(スネルの法則)
     光が空気から水に入るとき、波の速さの違いによって進む角度が変わる理由も説明できます。
  3. 回折(かいせつ)現象
     光が狭いすき間を通ると広がる現象。これは、すき間の各点から素元波が出ると考えるとよくわかります。
  4. 干渉(かんしょう)現象
     二つの波が重なって強め合ったり弱め合ったりする現象も、ホイヘンスの原理で説明できます。

数式で表すホイヘンスの原理

ホイヘンスの原理自体は概念的な考え方ですが、波面の伝わり方は波動方程式で表されます。
波が時間とともにどう進むかを数学的に示すことで、反射・屈折・干渉などの現象を精密に予測できるようになりました。

生活への応用

ホイヘンスの原理は、私たちの身の回りにも応用されています。

  • レンズや顕微鏡の設計
     光がどのように屈折して焦点を結ぶかを考えるとき、この原理が役立ちます。
  • 光通信(ファイバー通信)
     光が曲がったケーブルの中をどのように伝わるかを理解するためにも使われています。
  • 波動光学の基礎
     レーザーやホログラムなど、現代の光技術はホイヘンスの原理の考え方から発展しています。

大学入試のポイント

大学入試では、ホイヘンスの原理は次のような形で登場します。

  • 光の反射・屈折の導出
     入射角と屈折角の関係をホイヘンスの原理から導く問題。
  • 回折・干渉の説明
     二重スリットの実験などで、波がどのように広がるかを問う問題。
  • 波面と進行方向(法線)の関係
     波面がどう変化するか、図を描かせる問題。

また、「ホイヘンスの原理からわかる光の性質」を説明させる記述問題もよく出題されます。

みんなの声

「光を波で考えると、回折とか反射がちゃんと説明できるのが面白い!」(高校2年・男子)

「教科書の図を見て、波面が動いていくイメージをつかむと一気に理解できた。」(高校1年・女子)

「ホイヘンスの原理を知ってから、光って“線”じゃなくて“波”なんだなって実感した。」(高校3年・男子)

ホイヘンスの原理は、光の波としての性質を理解するための出発点。

反射や屈折といった基本現象から、干渉や回折などの高度な現象まで、すべての説明の基礎になっています。
「光の広がり」を波としてとらえるこの考え方は、物理だけでなく、光学・通信・宇宙観測など、あらゆる分野につながる重要な法則です。

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