「いいね」が足りないと不安になる理由|SNS依存と脳のしくみ

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「渾身の一枚を投稿したのに、思ったより『いいね』がつかない…」
「友達の投稿はいつもバズってるのに、どうして自分のは…」
「フォロワーが一人減っただけで、なんだか自分が否定された気分になる…」
スマートフォンの画面を何度もタップしては、通知の数を気にする。もし、あなたがこんな経験に心当たりがあるなら、安心してください。その不安や焦り、あなただけが感じているものではありません。
今日のテーマは、多くの人が密かに抱えているであろう「SNS疲れ」の核心、「なぜ、私たちは『いいね』が足りないと不安になってしまうのか?」という問いです。
実はこの感情、単なる「気にしすぎ」や「心が弱い」からではありません。私たちの脳の仕組みと、太古の昔から続く人間の本能が深く関わっているのです。
この記事を読み終える頃には、あなたがSNSの通知に一喜一憂してしまう理由がスッキリと理解でき、もっと軽やかに、自分らしくSNSと付き合っていくためのヒントが見つかるはずです。
- 1. なぜ、私たちは「いいね」が欲しくてたまらないのか?
- 1.1.1. 脳をハックする「ドーパミン」の甘い罠
- 1.1.2. 承認欲求は人間の基本装備
- 2. 「いいね」が足りないと“不安”になる心のメカニズム
- 2.1.1. 1. 無限に続く「社会的比較」の地獄
- 2.1.2. 2. 「いいね」に委ねられた自己肯定感
- 3. みんなの声|SNSの画面の向こう側にある本音
- 4. 「いいね」の呪縛から心を解放する5つの処方箋
- 4.1.1. 処方箋①:まずは「知る」こと。自分のSNS依存度をチェック
- 4.1.2. 処方箋②:物理的に距離をとる「デジタルデトックス」
- 4.1.3. 処方箋③:思考のクセを変える「認知の再構築」
- 4.1.4. 処方箋④:「消費」から「創造」へ。SNSの使い方を変える
- 4.1.5. 処方箋⑤:リアルな繋がりを再確認する
- 5. まとめ:あなたの価値は「いいね」では測れない
なぜ、私たちは「いいね」が欲しくてたまらないのか?
そもそも、なぜ私たちはこれほどまでに他者からの「承認」を求めるのでしょうか。その答えの鍵は、私たちの脳内にある「ご褒美システム」に隠されています。
脳をハックする「ドーパミン」の甘い罠
あなたが投稿に「いいね」をもらった時、脳内では何が起きていると思いますか?
実は、「ドーパミン」という快感物質が放出されています。ドーパミンは、美味しいものを食べた時、目標を達成した時、そして愛する人と過ごす時など、私たちが「幸せ」や「快感」を感じる瞬間に分泌される脳内ホルモンです。
SNSの「いいね」やコメントの通知は、私たちの脳にとって「予期せぬご褒美」。この通知が届くたびに、脳の報酬系と呼ばれる部分が刺激され、ドーパミンがドバッと放出されるのです。
この感覚、何かに似ていると思いませんか?
そう、ギャンブルです。
スロットマシンでレバーを引く時、「次こそは当たりが来るかも!」という期待感でドキドキしますよね。いつ、どれくらいの報酬(当たり)が得られるか分からない不確実性こそが、人を夢中にさせます。これを心理学では「間欠強化(かんけつきょうか)」と呼びます。
SNSの「いいね」も全く同じ。いつ、誰から、いくつ「いいね」がもらえるか分からない。だからこそ、私たちは何度もスマホをチェックし、通知が来た瞬間に強い快感を得る。この「ドーパミン・ループ」に、私たちは知らず知らずのうちにハマってしまっているのです。
「いいね」が欲しいという気持ちは、脳が快感を求めて発する、ある意味で非常に自然なサインなのです。
承認欲求は人間の基本装備
心理学者マズローが提唱した「欲求5段階説」をご存知でしょうか。人間には、生理的欲求や安全の欲求といった基本的なものが満たされると、その次に「社会的欲求(どこかに所属したい)」や「承認欲求(認められたい)」が生まれるとされています。
集団で生きてきた人類にとって、仲間から認められ、受け入れられることは、生存に直結する重要な問題でした。仲間外れにされることは「死」を意味したからです。
SNSは、この原始的な承認欲求を、「いいね」や「フォロワー数」という形で可視化しました。これまで曖昧だった「他者からの承認」が、具体的な数字として目の前に現れるようになったのです。
だからこそ私たちは、「いいね」の数で自分の立ち位置を確認し、数が少ないと「自分は集団から受け入れられていないのではないか」という本能的な不安を掻き立てられてしまうのです。
「いいね」が足りないと“不安”になる心のメカニズム
「いいね」が快感であることは分かりました。では、それが「足りない」と感じた時に、なぜポジティブな感情が「不安」や「焦り」というネガティブな感情に変わってしまうのでしょうか。
ここには、2つの大きな心理的要因が関係しています。
1. 無限に続く「社会的比較」の地獄
人は、自分を評価するために無意識に他人と自分を比べてしまう生き物です(社会的比較理論)。
昔であれば、比較対象は学校のクラスメイトや会社の同僚など、ごく身近な人たちに限られていました。しかし、SNS時代に生きる私たちは、世界中の人々の「最も輝いている瞬間」を、24時間365日見せつけられています。
- 友人の豪華な海外旅行
- 同僚の華やかな結婚式
- 見知らぬインフルエンサーの完璧なライフスタイル
SNSのフィードに流れてくるのは、いわば「他人の人生のハイライト集」です。私たちは、そのキラキラしたハイライトと、自分の日常(舞台裏)を無意識に比較してしまいます。
そして、「いいね」の数は、その投稿の「価値」を測る指標のように見えてしまう。
「あの人の投稿には『いいね』が500もついてるのに、私のは30しかない…私の日常は、こんなにも価値がないのだろうか?」
この比較ゲームには、決して終わりがありません。上には上がいます。この不毛な比較こそが、劣等感や自己嫌悪、そして尽きることのない不安を生み出す温床となっているのです。
2. 「いいね」に委ねられた自己肯定感
自己肯定感とは、「ありのままの自分を認め、価値ある存在だと思える感覚」のことです。この自己肯定感が安定している人は、他人の評価に左右されにくく、自分の価値を自分で認められます。
しかし、自己肯定感が低い状態にあると、自分の価値を自分自身の中に見出すことが難しくなります。その結果、外部からの評価、つまり「いいね」の数やフォロワー数に自分の価値を委ねてしまうのです。
- 「いいね」が多い → 自分は価値がある、愛されている
- 「いいね」が少ない → 自分は価値がない、誰からも必要とされていない
このように、「いいね」の数が自己評価と直結してしまうと、SNSは自分の価値を測るための恐ろしい成績表に早変わりします。通知が来るたびにジェットコースターのように感情が揺さぶられ、心がすり減っていくのは当然のことです。
テレビ番組「大下容子ワイドスクランブル」「羽鳥慎一モーニングショー」(テレビ朝日系列)で紹介されました!
みんなの声|SNSの画面の向こう側にある本音
この問題は、決して特別なものではありません。世代や性別を問わず、多くの人が同じような悩みを抱えています。少しだけ、彼らの声に耳を傾けてみましょう。
Aさん(20代・大学生)「正直、投稿した後はソワソワして他のことが手につかなくなります。友達の投稿より『いいね』が少ないと、センスないのかなって不安になって、アーカイブしたり消しちゃったり…。周りは『気にしすぎだよ』って言うけど、気になっちゃうんです。」
Bさん(30代・会社員)「仕事で達成したことを投稿しても、意外と反応が薄くて。逆に、何気なくあげたラーメンの写真にすごい『いいね』がついたり(笑)。自分の頑張りが認められてない気がして、少し落ち込みますね。何のために発信してるんだろうって、虚しくなる時があります。」
Cさん(40代・主婦)「ママ友たちのキラキラした投稿を見ると、正直焦ります。素敵なカフェに行ったり、子どもとおしゃれなイベントに参加したり…。それに比べて、うちはいつもと同じ公園で泥んこ。自分の日常を投稿するのも、『地味って思われるかな』『いいね、つかないだろうな』って考えちゃって、純粋に楽しめなくなっている自分が嫌になります。」
ほら、あなただけではないのです。みんな画面の向こう側で、同じように悩み、心を揺さぶられています。
「いいね」の呪縛から心を解放する5つの処方箋
では、どうすれば私たちはこの「いいね」の呪縛から解放され、健やかにSNSと付き合っていけるのでしょうか。特効薬はありませんが、少しずつ心を軽くしていくための具体的な方法を5つご紹介します。
処方箋①:まずは「知る」こと。自分のSNS依存度をチェック
何事も現状把握から。まずは、自分がどれくらいSNSに心を奪われているかを客観的に見てみましょう。
- 朝起きて、最初にすることはSNSのチェックだ
- 食事中や誰かと一緒にいる時も、ついスマホを触ってしまう
- 投稿後、5分おきに「いいね」の数を確認してしまう
- 特に目的もなくSNSアプリを開き、気づけば1時間経っている
- 他人の投稿を見て、落ち込んだり、羨ましくなったりすることが週に数回ある
3つ以上当てはまったら、少しSNSとの距離感を見直すサインかもしれません。
処方箋②:物理的に距離をとる「デジタルデトックス」
意思の力だけでSNSを断つのは至難の業。脳がドーパミンを求めているのですから。だからこそ、物理的・強制的に距離を置く仕組みを作りましょう。
- 通知をオフにする: これが最も効果的です。「いいね」やコメントの通知を切り、自分が見たい時にだけアプリを開くようにします。「受け身」から「主体的」な関わりに変える第一歩です。
- SNSを使わない時間を決める: 「食事中」「寝る前1時間」「朝起きてすぐ」など、スマホを触らない時間帯を決めましょう。特に寝る前のSNSは脳を興奮させ、睡眠の質を低下させるので禁物です。
- 週末だけアプリを消す: 平日は必要でも、週末はなくても困らないという人も多いはず。金曜の夜にアプリをアンインストールし、月曜の朝に再インストールする「週末デトックス」もおすすめです。
処方箋③:思考のクセを変える「認知の再構築」
SNSを見るときの「考え方」を意識的に変えていきましょう。
- 「いいね」≠「自分の価値」と唱える: 不安になったら、「これはただの数字。私の価値とは一切関係ない」と心の中で唱えてみましょう。投稿は、あくまであなたという素晴らしい物語の、ほんの1ページに過ぎません。
- 比較対象を「他人」から「過去の自分」へ: 他人と比べて落ち込むのではなく、「半年前の自分より、こんなことができるようになった」「昨日の自分より、今日は少しだけ笑顔でいられた」と、自分の成長に目を向けましょう。
- 「これは他人のハイライト集」と理解する: キラキラした投稿を見たら、「これはこの人の人生の“予告編”みたいなものだな。本編には、私と同じように悩みや苦労もあるはずだ」と一歩引いて捉えるクセをつけましょう。
処方箋④:「消費」から「創造」へ。SNSの使い方を変える
SNSをただ眺めて時間を消費するのではなく、自分の学びや表現のために使ってみましょう。
- 興味のある分野の専門家をフォローし、情報収集に使う
- 自分の趣味や学び(読書、料理、筋トレなど)の記録として使う
- 同じ趣味を持つ人と、建設的な情報交換の場として活用する
受動的に情報を受け取るだけでなく、能動的に使うことで、SNSは自己肯定感を削るツールから、自己成長を促すツールに変わります。
処方箋⑤:リアルな繋がりを再確認する
結局のところ、私たちの心を本当に満たしてくれるのは、デジタルの「いいね」ではなく、リアルな世界での温かい繋がりです。
- 大切な友人と、スマホを置いてゆっくりお茶をする
- 家族と、今日あった出来事を笑いながら話す
- 趣味のサークルで、仲間と汗を流す
あなたのことを「いいね」の数に関係なく大切に思ってくれる人が、すぐそばにいるはずです。その温もりを肌で感じることが、何よりの心の安定剤になります。
まとめ:あなたの価値は「いいね」では測れない
「いいね」が足りないと不安になるのは、あなたの心が弱いからではありません。それは、承認を求める人間の本能と、その本能を巧みに刺激するSNSの仕組みによる、ごく自然な反応です。
しかし、その仕組みを理解し、意識的に付き合い方を変えることで、私たちはSNSに振り回されるのではなく、SNSを使いこなすことができます。
SNSは、あなたの人生を彩るためのツールの一つに過ぎません。そこで得られる評価が、あなたの価値のすべてではないのです。
画面の向こうの数字に一喜一憂する時間を少しだけ減らして、目の前にあるリアルな幸せに目を向けてみませんか?
テレビ番組「大下容子ワイドスクランブル」「羽鳥慎一モーニングショー」(テレビ朝日系列)で紹介されました!


