回転運動と角運動量とは?高校生のポイント~わかりやすく解説!

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物体が回転する運動を考えるとき、直線運動での「位置」「速度」「加速度」と同じように、回転にもそれに対応する量があります。
回転運動では、角度・角速度・角加速度 などを使って表します。そして、運動量に対応するものが 角運動量(かくうんどうりょう) です。
角運動量は、回転する物体の“勢い”を表す量 で、物体が回り続けようとする性質を示します。
たとえば、フィギュアスケーターが腕を縮めると回転が速くなるのも、この角運動量の法則が関係しています。
回転運動の基本量
回転運動でよく使う物理量は以下のように対応します。
| 直線運動 | 回転運動 |
|---|---|
| 位置 x | 角度 θ(ラジアン) |
| 速度 v | 角速度 ω |
| 加速度 a | 角加速度 α |
| 質量 m | 慣性モーメント I |
| 運動量 p = m v | 角運動量 L = I ω |
角運動量とは?
角運動量は次の式で表されます。
L = I × ω
ここで、
- L:角運動量(kg·m²/s)
- I:慣性モーメント(kg·m²)
- ω:角速度(rad/s)
角運動量は、「回転する物体の質量分布」と「回転の速さ」の両方で決まります。
つまり、同じ速さで回っていても、重いものや外側に重さが集中しているものほど、角運動量が大きくなります。
角運動量保存の法則
外から力(トルク)が加わらなければ、角運動量は一定に保たれます。これを 角運動量保存の法則 といいます。
Στ = 0 → L = 一定
(Στ は外力によるモーメントの合計、すなわちトルクの合計)
たとえば、フィギュアスケーターが腕を広げた状態から腕を縮めると、慣性モーメント I が小さくなります。
角運動量が保存されるので、次の関係が成り立ちます。
I1 × ω1 = I2 × ω2
腕を縮めて I が小さくなると、ω(角速度)は大きくなり、回転が速くなるのです。
トルク(回転させる力)との関係
直線運動で「力が運動量の変化を生む」のと同じように、回転運動では「トルクが角運動量の変化を生む」関係があります。
τ = dL/dt
ここで、
- τ:トルク(N·m)
- dL/dt:角運動量の時間変化率
つまり、トルクが働くと角運動量が変化し、回転の速さや向きが変わるということです。
実生活での例
- フィギュアスケートのスピン
腕を縮めると速く回るのは、角運動量が保存されるため。 - 自転車のホイールの安定性
回転するホイールは角運動量を持つため、倒れにくくなる。 - 地球の自転と公転
地球も角運動量を保ちながら太陽の周りを回っています。
大学入試でのポイント
入試では以下のような問題が頻出です。
- 角運動量保存の計算
→ I と ω の関係から、回転速度の変化を求める。 - トルクと角運動量の関係
→ 「τ = dL/dt」を使って、外力による変化を計算する。 - 剛体の回転運動エネルギー
→ 回転運動のエネルギーは「E = (1/2) I ω²」で表される。
みんなの声
💬 「スケートの回転が物理で説明できるなんて面白い!」
💬 「角運動量が“回転の勢い”って考えると、すごくイメージしやすくなった!」
💬 「I×ω=一定の関係を覚えたら、問題が一気に解けるようになった!」
まとめ
- 角運動量は「回転する物体の勢い」を表す量で、
L = I × ω。 - 外力(トルク)が働かないとき、角運動量は保存される(
Στ = 0 → L = 一定)。 - 実生活では、スケートや自転車の安定などに応用されている。
- 入試では「角運動量保存」や「トルクとの関係式」が重要なテーマ。



