高校公民の重要基礎|「国家の要素」をわかりやすく整理|大学入試のポイント

世界には約200の国が存在している。
しかし、単に「国と呼べば国」になるのか?
もちろんそんな単純ではない。

高校公民や大学入試では、国家(state)の定義を、
国家の3要素
として説明する。

  • 一定の領域(territory)
  • 国民(nation / people)
  • 主権(sovereignty)

この3つが揃って「国家」と呼ばれる。

この3つはあまりにも有名で、大学入試対策本にも必ず出てくるが、実は「ただ暗記」している受験生が多い。そして、暗記だけの理解は弱い。
現代ニュースや歴史の例と照らし合わせて理解しておくと、一気に点になる。

この記事では、高校生でも本質が掴めるように、3要素を実例・歴史・時事にからめて整理し、最後に入試問われ方のパターンまでまとめる。

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① 一定の領域(領土・領海・領空)

国家は、明確な「支配範囲」を持つ必要がある。
領土(陸)、領海(海)、領空(空)があることで、国家は法律を適用し、警察活動、税制、司法権などを行使できる。

→つまり、国家として何かを決めても、土地がなかったら、実際に主権を行使できない。

例:

  • 日本:本州・北海道・四国・九州など
  • シンガポール:小さな都市国家だが、領域があるから国家
  • 国連に加盟したい地域が、領有をめぐって争いになり認められないケースもある

近年ではドローン・気球の領空問題で国際政治は揺れやすい。
国家の領域というのは、単なる線ではなく、国際政治の最前線そのもの。


② 国民(人)

国家には、国家の構成員となる「人」が存在する必要がある。
その国の国籍を持ち、その国の法律の下で生活する人々。

ここで高校公民が面白いのは、「国民と民族(エスニック)」を混同しないこと。

  • スイス:複数言語・文化が共存している国家
  • アメリカ:民族ルーツ多様性国家

「同一民族じゃないと国家が成り立たない」という発想は、現代国際政治では成立しない。

この観点を理解し、
「国民国家=民族の一致」ではない
と理解するのが大学入試でも頻出。


③ 主権(sovereignty)

国家の中核。

主権とは、

国の政治を最終的に決定する権力

特に3つが必ず教科書に出る。

1)最高性(国家内部で最終決定できる)
2)排他性(他国は口出しできない)
3)独立性(他国に従属しない)

日本国憲法では、主権は「国民に存する」と表現される。
しかし、ここで「国家の主権」と「主権者が国民」という概念を混同しないこと。

国家としての主権(外交・立法・統治権)

主権者としての国民主権(統治権の最終的な所在が国民)
は別レイヤー。

この混乱が大学入試で落とし穴。


国家と認められるためには、この3要素すべてが必要

だから以下のようなケースは典型的な議論材料になる。

  • 「独立宣言したが領域は争い中」
  • 「国民は一定数いるが現地に主権行使できない」
  • 「亡命政府は領域を持たない」

こういった話題は国際政治や国連のニュースでも繰り返し出てくる。

国家の3要素は、公民の知識を越えて「世の中のニュース理解の超ベース」になる。


大学入試問題の典型パターン

① 選択肢問題(最重要頻出)

「国家の要素に該当しないものを1つ選べ」

(A) 国民
(B) 主権
(C) 領域
(D) 貨幣制度

→答え:D
(貨幣制度は国家成立の要件ではない。国家成立後に制度整備。)

② 主権の性質の組み合わせ穴埋め

「主権は国家内部に対する( ① )と、対外的な( ② )の性質を持つ」

①:最高性
②:独立性(or 排他性)

このパターンは全国模試でも出まくる。

③ 国民 vs 民族

ここもひっかけパターン。
「国民は単一民族で構成される必要はない」が正解になる。


みんなの声

  • 「国家の要素は暗記は簡単だけど、主権の意味を深く説明できなかった」
  • 「国民=民族だと思ってたけど違うんだと知ってからニュースが理解できた」
  • 「ロシア vs ウクライナのニュースを見る時、この3要素を意識すると構造が読み解ける」
  • 「テキストだと単純に3行で終わるところを、実際の意味理解が最重要なのに学校はそこ説明しない」

高校生ほど「ただ暗記」で終わる。
しかし世界を理解していく感覚で見ると、国家3要素は強烈に生きた知識になり、大学以降の社会科学分野でも強い土台になる。


終わりに:この3要素は、一生使う視点

  • 国家はどこからどこまでが支配範囲?(領域)
  • 誰のための国?(国民)
  • 誰が政治の最終決定権を持つ?(主権)

この3つは、「国家を見るメガネ」になる。

大学入試の公民・政治経済は、「丸暗記で速度勝負」ではなく、意味理解を持って定義を語れる受験生が強い

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