ローレンツ力とは?高校生のポイント~電磁気の不思議な力

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電気と磁気は、一見まったく別の現象に見えますが、実は深くつながっています。
そのつながりを象徴するのが、「ローレンツ力(Lorentz force)」 です。
この力は、電流や荷電粒子が磁場の中で受ける力のこと。
電子や電流の動きを理解するために欠かせない、電磁気の中心的な法則です。
この記事では、ローレンツ力の意味、公式、実際の応用、大学入試のポイントをわかりやすく解説します。
ローレンツ力とは?
ローレンツ力は、オランダの物理学者 ヘンドリック・ローレンツ によって提唱されました。
簡単に言うと、次のような現象を指します。
「電荷をもった粒子が磁場の中を動くとき、その粒子は進行方向とは直角の向きに力を受ける」
たとえば、電子や陽子などが磁場の中を通ると、まっすぐ進まずに曲がるのはこの力のせいです。
磁場が右向きで、電流が上向きに流れているとき、力は紙面の手前や奥へと働きます。
この方向を判断するのに使われるのが、フレミングの左手の法則です。
ローレンツ力の公式
ローレンツ力は、次の式で表されます。
F = qvB sinθ
ここで、
- F:ローレンツ力(N)
- q:電荷の大きさ(C)
- v:粒子の速度(m/s)
- B:磁束密度(T, テスラ)
- θ:速度と磁場のなす角(度またはラジアン)
この式から、力が最も大きくなるのは、粒子の動きが磁場に対して垂直(θ=90°)のときであることがわかります。
逆に、磁場と同じ方向に動く場合(θ=0°)には力は働きません。
電流に働くローレンツ力
電荷1個ではなく、たくさんの電子が流れる「電流」にもローレンツ力が働きます。
そのときの式は次のように書き換えられます。
F = B I L sinθ
ここで、
- I:電流(A)
- L:導線の長さ(m)
つまり、電流が流れる導線が磁場中にあるとき、その導線が力を受けて動くということです。
この原理は、モーターの動作の基本になっています。
ローレンツ力の身近な応用
ローレンツ力は、私たちの生活の中でもたくさん使われています。
- モーターの回転
電流が流れるコイルが磁場の中で回転するのは、ローレンツ力によってトルクが生じるからです。 - スピーカーの振動
コイルに音声電流を流すと、磁石の力でコイルが振動します。これもローレンツ力の働きです。 - 電子の軌道制御(ブラウン管・電子顕微鏡)
電子を磁場で曲げることで、映像や微細な構造を映し出すことができます。 - リニアモーターカー
磁場と電流の力で車体を浮かせ、推進する技術もローレンツ力を応用しています。
大学入試のポイント
大学入試では、ローレンツ力は次のような形で出題されます。
- 「磁場中で電子が円運動する半径や周期を求めよ」
- 「ローレンツ力の方向を求めよ(フレミング左手の法則を用いる)」
- 「電場と磁場が同時にある場合の荷電粒子の運動」
特に、電子が磁場中を円運動する問題は頻出です。
このとき、運動の中心向きの力(向心力)とローレンツ力がつり合う条件を使います。
qvB = mv² / r
→ r = (m v) / (q B)
ここから、電子の質量や速度、磁場の強さなどを求める問題がよく出題されます。
みんなの声
「電気が力を受けて動くなんて、最初は不思議だったけど、モーターの仕組みを知って納得!」(高校2年・男子)
「フレミング左手の法則を覚えると、力の向きがすぐ分かるのが面白い。」(高校1年・女子)
「ローレンツ力の式から円運動の半径を出す問題、最初は難しいけど慣れると楽しい!」(高校3年・男子)
ローレンツ力は、電磁気学の中心的な法則であり、電流と磁場の関係を理解するカギです。
身近なモーターやスピーカー、最先端のリニアモーターカーまで、この力が動きを生み出しています。
電気と磁気が結びつく瞬間を感じる、まさに「電磁気の魔法」といえる法則です。


