水酸化マグネシウム(Mg(OH)₂)の性質と反応:高校生が知っておくべきポイント

※ 本ページはプロモーションが含まれています。
性質
水酸化マグネシウム(Mg(OH)₂)は、マグネシウムの水酸化物であり、白色の固体として存在します。高校化学で重要となる性質は以下の通りです。
- 水にほとんど溶けない:水にわずかにしか溶けず、飽和溶液は弱アルカリ性を示します。
- 塩基性を示す:水に溶けた部分は水酸化物イオン(OH⁻)を放出し、アルカリ性を示します。
- 白色沈殿を形成する:水酸化マグネシウムは水溶液中で沈殿しやすく、特にマグネシウムイオン(Mg²⁺)を含む溶液に水酸化ナトリウム(NaOH)を加えると白色沈殿が生じます。
- 天然には鉱物として存在:自然界では「ブルース石」として産出されることがあります。
反応
水酸化マグネシウムは様々な化学反応を示し、特に以下の点が高校化学で重要です。
(1)酸との反応
水酸化マグネシウムは塩基性を示すため、酸と中和反応を起こします。
Mg(OH)₂ + 2HCl → MgCl₂ + 2H₂O
この反応により、塩化マグネシウム(MgCl₂)と水が生成されます。塩酸だけでなく、硫酸(H₂SO₄)などとも同様に中和反応を起こします。
(2)加熱による分解
水酸化マグネシウムを加熱すると、水を放出しながら酸化マグネシウム(MgO)に変化します。
Mg(OH)₂ → MgO + H₂O
この性質は、マグネシウムの酸化物を得る方法としても利用されます。
(3)塩基性酸化物との比較
水酸化マグネシウムは、アルカリ金属の水酸化物(例:NaOHやKOH)ほど強いアルカリ性を示しません。これは、マグネシウムがアルカリ土類金属であり、水酸化物の溶解度が低いためです。

高校生が知っておくべきポイント
高校化学で水酸化マグネシウムを学ぶ際、特に以下の点を押さえておくと理解が深まります。
- 沈殿反応の理解:水酸化マグネシウムが水に溶けにくく、沈殿を形成することを覚えておきましょう。
- 酸との反応(中和反応):酸と反応して塩と水を生じることは、他の水酸化物とも共通する重要なポイントです。
- 加熱による分解:酸化マグネシウム(MgO)への変化は、熱分解の典型的な例として試験でも問われやすいです。
- 医薬品としての利用:水酸化マグネシウムは胃薬(制酸剤)としても利用されており、日常生活とも関連が深い物質です。
水酸化マグネシウムの性質や反応をしっかり理解し、試験や実験に活かしていきましょう!
