波の重ね合わせの原理とは?高校生のポイント ~ 音や光がつくる“干渉”

※ 本ページはプロモーションが含まれています。
水面の波や音、光など、私たちの身の回りにはさまざまな「波」が存在します。
その波が2つ以上重なるとき、いったい何が起こるのでしょうか?
この現象を説明するのが、「波の重ね合わせの原理」(principle of superposition)です。
高校物理で必ず学ぶ重要な考え方で、干渉(かんしょう)や定常波の理解にも欠かせません。
波の重ね合わせの原理とは?
「同じ場所を同時に通る複数の波があるとき、その点の変位は、それぞれの波の変位の和になる」
これが、波の重ね合わせの原理の基本です。
たとえば、水面に2つの波を同時に起こすと、波がぶつかった地点では一瞬、波が高くなったり低くなったりします。
それは、2つの波がちょうど足し合わされたり打ち消し合ったりしているからなのです。
数式で表すと?
2つの波の式を次のように書きます:
y₁ = A₁ sin(ωt - kx)
y₂ = A₂ sin(ωt - kx + φ)
この2つが重なったとき、合成された波 y は次のようになります:
y = y₁ + y₂ = A sin(ωt - kx + δ)
ここで、合成振幅 A は次の式で求められます:
A = √(A₁² + A₂² + 2A₁A₂ cosφ)
(φ は2つの波の位相差を表します)
つまり、位相差が0のとき(同位相)には波が強め合い、φ = π(逆位相)のときには波が打ち消し合うということです。
強め合いと打ち消し合い(干渉)
波が重なるときの代表的な現象が「干渉(interference)」です。
- 強め合う(同位相)
波の山と山が重なると、より大きな山(振幅が2倍)になります。 - 打ち消し合う(逆位相)
波の山と谷が重なると、波が消えるように見えます。
このように、波が干渉し合うとき、場所によって波が強くなったり弱くなったりするのです。
生活の中の「波の重ね合わせ」
- ノイズキャンセリングイヤホン
外の音と“逆位相”の音を出して、音を打ち消す技術です。
→ まさに「波の打ち消し合い」の応用! - 音楽ホールの音響設計
反射音が干渉して聴こえ方を変えるので、設計段階で「波の重ね合わせ」を考慮します。 - 水面の波紋
池に2つの石を投げると、波が重なり模様のような干渉模様が見られます。
見えない波の重ね合わせが、日常の音や光、映像技術の中にもたくさん使われています。
大学入試のポイント
- 頻出テーマ:
・波の重ね合わせ
・干渉条件
・合成波の振幅の式
・定常波の説明問題 - 覚えるべき式:
A = √(A₁² + A₂² + 2A₁A₂ cosφ)
(特にA₁=A₂=Aの場合は、
A = 2A cos(φ/2) となり、干渉条件を考えるときに重要です。)
- よく出るポイント:
・強め合う条件:φ = 0, 2π, 4π …
・打ち消し合う条件:φ = π, 3π, 5π …
これらをグラフと合わせて理解すると、入試での波の問題が格段に解きやすくなります。
みんなの声
💬 「ノイズキャンセリングの仕組みが“波の重ね合わせ”だったなんて知らなかった!」(高校2年生)
💬 「合成波の公式を使うと干渉がスッキリ説明できて気持ちいい」(物理選択・受験生)
💬 「図でイメージすると覚えやすい!物理がちょっと楽しくなった」(高校1年生)
まとめ
「波の重ね合わせの原理」は、波の世界の基本中の基本です。
波が重なると、単純に「足し算」で変位が決まる。
それが音の響き、光の干渉、映像技術など、多くの現象を支えています。


