高校生物|「学習」とは何か?条件づけ・試行錯誤・慣れの違いを掘り下げる|大学入試狙われどころ

※ 本ページはプロモーションが含まれています。

前回の記事では、生得的(生まれつき)で起こる行動=走性・反射・本能行動を整理しました。

今回は、そこからさらに一歩進めて「学習」の領域を解説します。

走性・反射・本能は「学習に依存しない行動」。
一方、学習は 経験によって変化・上達する行動

ここをセットで理解すると、本番で分類問題に確実に勝てます。

学習の代表3タイプ

① 慣れ(habituation)

繰り返される刺激に反応が弱くなる。

例:

  • 家の近くの線路の音、最初はうるさい→そのうち気にならなくなる
  • カエルに小石を落とし続けると、はじめの警戒反応が弱まる

→「刺激への反応の減少」と覚えると早い。

② 条件づけ(conditioning)

刺激と反応を結び付けて学習する。

有名な例:パブロフの犬

  • ベル音(本来関係ない刺激)+餌
  • ベル音だけで唾液が分泌するようになる

大学入試では、「条件反射」と語の混同で落とすパターンが多い。
→ 反射は生得的
→ 条件づけは学習して獲得

ここが正答率分岐点。

③ 試行錯誤学習(trial and error)

何度も試して、成功パターンを獲得する学習。

例:

  • 鳥が貝を割るために、高さ・角度を変えながらベスト条件を獲得する
  • ネズミが迷路を進んで正しい道を覚える

→ 結果の成功体験が強化されていく。

生得行動 vs 学習

生得行動学習
走性刺激方向に動く×
反射脊髄処理の即反応×
本能行動複雑だけど遺伝的×
慣れ経験で反応弱くなる
条件づけ刺激と反応の結びつき
試行錯誤何度も成功経験で強化

大学入試で狙われるポイント

  • 文章で現象を提示→「これは生得か?学習か?」を分類する問題が増加
  • 条件づけ vs 反射の区別
  • 慣れを経験回数と反応減少で見抜かせる出題

例題

カタツムリが殻に水滴を落とされ続けると、初めは引っ込むが、次第に反応しなくなる。これは何というか?

慣れ

犬がベル音だけで唾液を出すようになった。この学習を何と言うか?

条件づけ

ネズミが迷路の正解ルートを繰り返し学ぶのは?

試行錯誤学習

みんなの声

「本能と条件づけ、反射の区別で模試落とす人が多いって塾で言われ続けた」(受験生)

「慣れは、生得→弱くなるじゃないの?」と思ってたけど、経験による変化=学習なのかと分かって納得した」(高2)

「共通テストは文章の設定問題が多いから、この分類思考は板書で必須にしてる。知識じゃなく、"判断軸"を持て。」(高校生物の教員)

次のステップ

ここまで理解できたら、

  • 探索行動
  • 条件刺激・無条件刺激
  • オペラント条件づけ(スキナー)

まで踏み込むと、二次試験まで届くレベルになる。

  • X