熱力学の第1法則とは?高校生のポイント〜エネルギーのやりとりを支配する自然のルール〜

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熱力学の第1法則とは?
「エネルギーは形を変えるだけで、決して消えない」
──この考えを、熱の世界で表したのが 熱力学の第1法則 です。
もう少し正確に言うと、
「内部エネルギーの変化量は、外から加えた熱量と外へした仕事の差で決まる」
という法則です。
式で表すとこうなります👇 ΔU=Q−W
ここで、
- ΔU:内部エネルギーの変化量
- Q:外から加えられた熱量
- W:系(気体など)が外にした仕事
つまり、
「熱をもらえばエネルギーが増える」
「仕事をすればエネルギーが減る」
という、とてもシンプルな法則です。
生活の中の「熱力学の第1法則」
この法則は、私たちの身の回りのあらゆる現象に関わっています。
- ☕ お湯が冷める
お湯は熱を外に出すことで内部エネルギーが減ります。
→ 放熱して「Q」がマイナスになる。 - 🚗 車のエンジン
ガソリンの燃焼で熱を得て(Qがプラス)、その一部をピストンを動かす「仕事(W)」に変えています。
→ 余ったエネルギーは排気ガスや摩擦で失われる。 - 🧊 冷蔵庫
電気エネルギーを使って、内部の熱を外に追い出す。
→ 熱の流れを逆転させる仕組みも、熱力学の法則に従っています。
どんな機械も、どんな自然現象も、この法則の中で動いているのです。
熱の世界にも「エネルギー保存」
エネルギー保存の法則を、熱を含めて拡張したのが熱力学の第1法則です。
つまり、力学の「運動エネルギー保存」とまったく同じ考え方。
ただ、熱の場合はエネルギーの出入りが「目に見えにくい」ため、
気体の膨張や圧縮を使って実験的に確かめます。
高校物理での例題
たとえば、ピストンの中の気体を加熱するとどうなるか?
- 熱量 Q=200 J を加えた
- 外にした仕事 W=120 J
このとき、内部エネルギーの変化量は?
ΔU=Q−W=200−120=80 J
つまり、気体の温度が上がったのは「80 J分」だけ。
残りの120 Jは外への仕事として使われた、ということです。
大学入試のポイント!
熱力学の第1法則は、物理・化学の両方で重要テーマです。
特に出題されやすいのは次のような内容👇
- 等温変化・断熱変化での「Q, W, ΔU」の関係
- エネルギーの符号(吸熱=プラス、放熱=マイナス)の整理
- 気体のグラフ(P–V線図)を使った仕事量の計算
- 化学分野では「反応熱」や「エネルギー保存」と関連
符号の取り違えや単位(J, cal)の変換でミスする受験生が多いので要注意です。
みんなの声 🔥
🔹「“熱もエネルギーの一種”と分かった瞬間、物理がつながった!」(高2男子)
🔹「冷蔵庫やエンジンまでこの法則で説明できるのがすごい」(高3女子)
🔹「ΔU = Q − W の符号で何回も間違えたけど、意味を考えると納得できた」(卒業生)
まとめ
| ポイント | 内容 |
|---|---|
| 現象名 | 熱力学の第1法則 |
| 式 | ΔU = Q − W |
| 意味 | 内部エネルギーの変化 = 加えた熱 − 外へした仕事 |
| 生活での例 | エンジン・冷蔵庫・お湯の冷却 |
| 入試の注意点 | 符号の整理と仕事・熱の関係を正しく理解する |
あとがき
熱力学の第1法則は、「自然界はエネルギーをムダにしない」という究極のルールです。
この法則を理解すると、車も冷蔵庫も宇宙の星も、
すべて同じ「エネルギーの流れ」に支配されていることが見えてきます。
物理がぐっと深く感じられる瞬間ですね。



