熱量保存の法則とは?高校生のポイント ~ 熱はどこにも消えない!

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お湯を冷ますと周りの空気が温かくなったり、金属を火で熱すると手に熱が伝わったり…。
こうした現象の裏には「熱量保存の法則」という自然の決まりごとがあります。

この記事では、「熱量保存の法則」とは何か、どんな場面で使われるのか、公式や例題を交えてわかりやすく説明します。

熱量保存の法則とは?

「熱量保存の法則」とは、熱の出入りをすべて合わせると、全体の熱量は変化しないという法則です。
言い換えると、「熱は消えたり、勝手に生まれたりしない」ということです。

たとえば、温かい物体と冷たい物体を接触させると、温かい方は冷め、冷たい方は温まります。
このとき失われた熱量と得られた熱量は同じになります。

Q失う=Q得る​

これが、熱量保存の法則です。

公式とその意味

物体が吸収したり放出したりする熱量 Q は、次の式で求められます。

Q=mcΔT

ここで、

  • Q:熱量(J:ジュール)
  • m:物体の質量(kg)
  • c:比熱(J/kg・℃)
  • ΔT:温度変化(℃)

つまり、「質量 × 比熱 × 温度変化」で、熱の出入りを計算できるのです。

例題:お湯と水を混ぜるとどうなる?

たとえば、80℃のお湯200gと、20℃の水200gを混ぜるとき、最終温度はいくつになるでしょうか?
熱量保存の法則を使って計算できます。

Qお湯が失う=Q水が得る​

水の比熱を c=4.2 J/g・℃ として式を立てると、

200×4.2×(80−T)=200×4.2×(T−20)

これを解くと、

T=50℃

となります。

つまり、温かい方が失った熱量と、冷たい方が得た熱量がつり合うのです。

日常生活の中の「熱量保存」

  • お風呂のお湯がぬるくなる
     → お湯の熱が空気や浴槽に移動しています。
  • 金属のスプーンが熱くなる
     → 熱がコーヒーからスプーンに伝わっています。
  • 断熱材の役割
     → 熱の移動を防ぐことで、熱量の出入りを少なくしています。

熱のやり取りは見えませんが、必ずバランスが取れているのです。

熱量保存とエネルギー保存

熱量保存の法則は、より広い「エネルギー保存の法則」の一部です。
熱もエネルギーの一種なので、運動エネルギーや電気エネルギーと同じく、形を変えても全体の量は変わらないのです。

たとえば、摩擦で発生する熱も、運動エネルギーが熱エネルギーに変わっただけ。
エネルギーが消えたわけではなく、「形を変えた」だけなのです。

大学入試のポイント

  • よく出るテーマ:
     水と金属の混合・比熱の比較・カロリーメーターの問題など
  • 重要公式:
     Q=mcΔT
     熱の出入りが釣り合う式を正しく立てることがカギ。
  • 注意点:
     吸収する熱は「+」、放出する熱は「−」として計算すること。

みんなの声

💬 「お湯を混ぜる計算、思ったより簡単でびっくり!」(高校1年生)
💬 「エネルギー保存とつながる考え方がスッキリ理解できた」(受験生)
💬 「熱の出入りを考えると、生活の仕組みも見えてきて面白い!」(理系志望・高校2年)

まとめ

「熱量保存の法則」は、自然界のエネルギーの流れを理解する基本です。
熱はどこかへ消えることも、勝手に生まれることもありません。
失われた熱量と得られた熱量は、いつも釣り合っているのです。

この考え方を身につけると、エネルギー変換の仕組みがぐっと理解しやすくなります。

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