「わけわかめ」の正体とは?──昭和の学生言葉から読み解くユーモア文化

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30年ほど前、つまり1990年代前後の大学生活を思い返すと、仲間うちで頻繁に聞こえてきた言葉があります。

それが、「わけわかめ」。

「それ、わけわかめやな」「マジでわけわかめすぎて笑える」といった具合に、意味不明な事象や人の行動に対して、ちょっと茶化すように使われていたこの言葉。改めて考えてみると、どうして“わかめ”なのか? そもそも何が起源なのか?

今回は、このちょっと懐かしく、どこか可笑しい「わけわかめ」という言葉について調べてみました。さらに、SNSなどで現代の人々の声も集めてみたので、当時を懐かしむ方も、初耳の若い世代の方も、ぜひお付き合いください。

「わけわかめ」とは何か?──意味と使い方

まず、「わけわかめ」という言葉の意味について整理しておきましょう。

意味:
意味がまったく理解できない、訳が分からない、混乱する、支離滅裂である――といった意味合いで使われる若者言葉・俗語です。

用例:

  • 「昨日のゼミ、教授の話が難しすぎて完全にわけわかめだったわ」
  • 「なんでそんな行動を取るの?わけわかめ!」

おおむね軽いニュアンスで、相手を強く非難せず、状況を笑いに変えるような効果がありました。これが学生文化にフィットした理由のひとつでしょう。

語源は?「わけわかめ」のルーツを探る

では、本題の語源についてです。調査の結果、「わけわかめ」は以下のような流れで生まれたと推測されています。

1. 昭和のギャグ文化に由来

「わけわかめ」は、昭和のギャグ番組やマンガ文化の中から自然発生した言葉だといわれています。特に有名なのは、1970年代後半から1980年代のバラエティ番組ギャグマンガの中での使用例です。

お笑い芸人やマンガのキャラが「わけがわからないよ~」をもじって「わけわかめ」と言うことで、語感の面白さと意味の軽さがミックスされ、徐々に定着していきました。

たとえば、1980年代に人気を博したアニメ『ドクタースランプ アラレちゃん』(鳥山明作)では、言葉遊びやナンセンスなギャグが多用され、「わけわかめ」的な言い回しも多かったため、そこから広まった可能性もあります。

2. 韻と語感の妙

日本語では、語感のリズムや韻が良い言葉が流行りやすい傾向があります。

「わけわからん」→「わけわからんめ」→「わけわかめ」と、語尾の変形を遊びで試す中で、“わかめ”の音がフィットしたと考えられます。

これは、「おはよう」→「おはヨーグルト」や、「了解」→「りょ」など、後に生まれる若者言葉にも通じる「言葉の縮約と変形の遊び」の一種です。

「わけわかめ」はなぜ“わかめ”なのか?

ここで気になるのが、「なぜ“わかめ”なのか?」という点です。わかめ自体は海藻であり、特に意味不明なものではありません。しかし、ギャグとしての“言葉のずれ”がそこにあります。

たとえば、以下のような理由が推測されています:

  • 「わけ」と「わかめ」の語頭が似ていて、音的に自然な流れがある。
  • “わかめ”という響きが、当時の人にとって妙に間の抜けた、ユーモラスな印象を与えた。
  • 食べ物でありながら、突拍子もない連想語として成立する。

特にテレビなどで繰り返し使われることで、「とにかく語感が面白いからOK!」とされ、意味の深さよりも“おバカで面白い”言葉として人気を得たのでしょう。

SNSの声

この「わけわかめ」、現代の若者たちはどう感じているのでしょうか?X(旧Twitter)などで調べた声を紹介します。

  • 「母が『わけわかめ』って言っててびっくりした。何その昭和ワード(笑)」
  • 「あえて『わけわかめ』って使うとウケる。古臭くて逆に新しい」
  • 「職場の上司が『わけわかめ』って言ってきて、ツボった。昭和生まれの人って面白い」

どうやら若者の中でも、「レトロギャグ」として面白がって使う人もいるようです。特にTikTokやYouTube Shortsなどで「昭和あるある」系のネタが人気を集めているため、「わけわかめ」も再評価されつつあるのかもしれません。

「わけわかめ」から学ぶ、ことばの遊び心

最後に、今回の「わけわかめ」考察から得られる教訓をまとめてみましょう。

  • 言葉は生き物。意味よりも語感や空気感で広まることがある。
  • ギャグや俗語には、その時代の文化や価値観が色濃く反映される。
  • 古い言葉でも、再発見やリバイバルによって新たな価値が生まれる。

「わけわかめ」は、単なるナンセンスなギャグではなく、若者文化の中に生まれた“軽さ”と“距離感”を表現する言葉だったのです。

おわりに

あなたの「わけわかめ」は何ですか?

昭和の終わりから平成初期にかけて、大学生たちはバブル崩壊の不安や就職氷河期を前に、どこか“深刻すぎない笑い”を求めていたのかもしれません。そんな時代に、「わけわかめ」という言葉は、私たちの心の余白を埋めてくれる“遊び”だったのでしょう。

皆さんもぜひ、ふとした瞬間に「わけわかめやな~」とつぶやいてみてください。少し気持ちが軽くなるかもしれませんよ。

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