ヤングの実験とは?高校生のポイント~光の波の性質を証明!

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「光は波なのか?それとも粒なのか?」
この疑問に答えるきっかけとなったのが、19世紀の物理学者 トマス・ヤング(Thomas Young) による有名な「ヤングの実験(二重スリットの実験)」です。
この実験は、光の波動性(波としての性質)を見事に示したもので、高校物理でもとても重要なテーマです。
実験のしくみ
ヤングの実験の基本的な構造は次のようになっています。
- 光を1つのスリット(細いすき間)に通して、波をそろえる(コヒーレントな光)。
- その光をさらに2つのスリットに通す(これを「二重スリット」と呼びます)。
- スクリーン(白い壁など)に光を当てると、明るい縞(しま)と暗い縞が交互に現れます。
この縞模様は「干渉(かんしょう)」と呼ばれる現象で、波どうしが重なり合うことでできるものです。
もし光が粒だったなら、こんな模様はできません。つまりこの実験によって、光が波の性質をもつことが明らかになったのです。
明暗の縞ができる理由
光の波が2つのスリットから出ると、波どうしが重なります。
重なった波の「山と山」「谷と谷」が一致するときは強め合い(明るくなる)、
「山と谷」がぶつかると打ち消し合い(暗くなる)ます。
この波の重ね合わせによって、スクリーン上に明暗の模様が生じるのです。
明るい縞の位置の公式
ヤングの実験で得られる明るい縞の位置(干渉の最大値)は次の式で表されます。
d × sinθ = m × λ
ここで、
- d:スリット間の距離(m)
- θ:明るい縞ができる角度(rad)
- m:整数(0, ±1, ±2, …)
- λ:光の波長(m)
この式は、光の波の道のりの差(光路差)が波長の整数倍のときに明るくなることを示しています。
実験の結果からわかること
ヤングの実験の結果から、次のことが確認されました。
- 光は波の性質を持つ(干渉が起こるため)
- 明暗の間隔から光の波長を測定できる
- 波の性質をもつことは、後に「電子」などの粒子にも当てはまることが発見される
つまりこの実験は、後の量子力学の発展にもつながる大きな一歩だったのです。
日常生活での応用
- 🌈 シャボン玉や油膜の虹色
表面の厚さの違いによって光が干渉し、色とりどりに見えます。 - 💿 CDやDVDの虹色の光
反射した光が干渉して、さまざまな色が見えるのも同じ原理です。 - 🕶️ 偏光レンズ
光の波の性質を利用して、反射光を抑えるメガネにも応用されています。
高校物理・大学入試のポイント
- 公式
d × sinθ = m × λを正確に使いこなすこと。 - 明暗の間隔が小さいときは、近似式
sinθ ≒ tanθ ≒ y / Lが使える。
(y:スクリーン上の明線の位置、L:スリットからスクリーンまでの距離) - 「波の干渉」「光の波長測定」「単色光の実験」などの問題として出題されやすい。
- 電子線やX線の干渉現象(波動性)を理解する基礎にもなる。
みんなの声
💬「光が波である証拠が、たった二つのスリットで見えるなんて感動した!」
💬「波の重ね合わせが光でも起きると知って、物理が一気に面白くなった」
💬「公式の意味がわかると、実験の映像がもっと理解できるようになった!」
まとめ
- ヤングの実験は、光の波の性質(干渉)を証明した実験。
- 明るい縞は「波の山と山」、暗い縞は「波の山と谷」が重なるときにできる。
- 公式は
d × sinθ = m × λ - シャボン玉やCDの虹色など、身近な現象にも応用されている。



