高校化学|エチレンの性質(水に溶けにくい理由)と反応:大学入試頻出ポイント

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エチレンは、高校化学でも大学入試でも頻出の重要な有機化合物です。
炭素同士の二重結合をもち、「付加反応を起こしやすい」という特徴から、多くの反応の中心に登場します。
さらに、日常生活で使われるプラスチックやエタノールの原料としても欠かせない存在です。
本記事では、エチレンの基本的な性質から典型的な反応、そして入試で狙われやすいポイントを、わかりやすく整理しています。
※有機化学の全体をご覧になる場合は、「高校有機化学のまとめ」に整理しています。御覧ください。
- 1. 性質
- 1.1. 基本情報
- 1.2. 物理的性質
- 1.2.1. エチレンが水に溶けにくい理由(★入試頻出)
- 2. 反応
- 2.1. ① 付加反応
- 2.1.1. 水素付加(還元反応)
- 2.1.2. ハロゲン付加
- 2.1.3. 水の付加(水和反応)
- 2.2. ② 酸化反応
- 2.2.1. 完全燃焼
- 3. 高校生が注意すべき点
- 4. 大学入試で頻出(よく出るパターン)
- 4.1. ① エチレンの構造と性質を説明する問題
- 4.2. ② 付加反応の生成物を選ぶ・構造式を書く問題
- 4.3. ③ 酸化反応・脱水反応の出題パターン
- 4.4. ④ エチレンの工業的製法・用途を答える問題
- 4.5. ⑤ エチレンとアセチレンの比較問題
性質
エチレン(C₂H₄)は、最も簡単なアルケンであり、炭素原子間に二重結合(C=C)をもつ不飽和炭化水素である。
基本情報
- 化学式:C₂H₄
- 分子量:28
- 分子構造:平面構造
- 混成軌道:sp²混成
二重結合は 1本のσ結合と1本のπ結合から成り、これがエチレンの高い反応性の原因となっている。
物理的性質
- 無色の気体
- わずかに甘い香り
- 水に溶けにくい
- 有機溶媒(エタノール・ベンゼンなど)には溶けやすい
- 沸点:−103.7 ℃
- 融点:−169.4 ℃
エチレンが水に溶けにくい理由(★入試頻出)
エチレンは 炭素と水素のみからなる無極性分子であり、分子内に 電気的な偏り(極性)がほとんどない。
一方、水(H₂O)は極性分子であり、水素結合によって分子同士が強く結びついている。
👉「極性分子同士は混ざりやすく、無極性分子とは混ざりにくい」
という性質の違いから、エチレンは水に溶けにくい。
この理由説明は、
「なぜエチレンは水に溶けにくいのか述べよ」
という 記述問題でそのまま使える。
また、エチレンは植物ホルモンとしても働き、果物の成熟を促進する作用をもつことでも知られている。
反応
エチレンは二重結合をもつため、付加反応を起こしやすい。
これはアルケンに共通する重要な性質であり、大学入試で頻出である。
① 付加反応
水素付加(還元反応)
ニッケル(Ni)触媒の存在下で水素が付加し、エタンを生成する。
C₂H₄ + H₂ → C₂H₆
ハロゲン付加
塩素や臭素が付加して、ジハロゲン化物を生成する。
C₂H₄ + Br₂ → C₂H₄Br₂
※ 臭素水の赤褐色が消える反応は 不飽和結合の検出として頻出。
水の付加(水和反応)
濃硫酸を触媒として水を付加し、エタノールを生成する。
C₂H₄ + H₂O → C₂H₅OH
② 酸化反応
完全燃焼
酸素と反応して、二酸化炭素と水を生じる。
C₂H₄ + 3O₂ → 2CO₂ + 2H₂O
高校生が注意すべき点
- 二重結合の存在=付加反応が起こる
- エチレンは 無極性分子 → 水に溶けにくい
- 可燃性が高いため、実験では火気に注意
- ポリエチレンの原料として、工業的にも重要
大学入試で頻出(よく出るパターン)
大学入試では、エチレンの構造・性質・典型反応がセットで問われることが多く、以下のパターンが頻出です。
① エチレンの構造と性質を説明する問題
- 平面構造・sp²混成軌道・二重結合(σ結合+π結合)の特徴を答える形式がよく出る。
- 二重結合があるため、付加反応を起こしやすい点を理由づけて説明させる問題が多い。
- 「エチレンは不飽和炭化水素である理由を述べよ」という問いも頻出。
② 付加反応の生成物を選ぶ・構造式を書く問題
エチレンの代表的な付加反応は、大学入試で非常によく出る。
- 水素付加(触媒:Ni) → エタン
- ハロゲン付加(Br₂) → 1,2-ジブロモエタン
- ハロゲン化水素(HCl, HBr) → クロロエタン、ブロモエタン
- 水の付加(H₂SO₄ → H₂O) → エタノール
生成物の名称・構造式を正確に書けるかが問われる。
③ 酸化反応・脱水反応の出題パターン
- 過マンガン酸カリウム(KMnO₄)による酸化
→ 低温:ジオール(エチレングリコール)
→ 高温:二酸化炭素と水に完全酸化 - 酸化後の色の変化(紫 → 無色)の記述問題が頻出。
また、エタノールが濃硫酸で脱水 → エチレンになる逆反応は教科書の定番で、
「温度条件の違い(140℃で脱水・170℃でエーテル)」を問う問題がよく出る。
④ エチレンの工業的製法・用途を答える問題
- ナフサの熱分解で得られる(石油化学の基幹原料)
- ポリエチレンの原料
- エタノールやエチレングリコール合成の起点物質
特に「ナフサ分解 → エチレン → ポリエチレン」の流れは頻出テーマ。
⑤ エチレンとアセチレンの比較問題
- 構造(C=C と C≡C)
- 反応性(アセチレンの方がさらに付加しやすい)
- ハロゲン付加の段階の違い
この比較は毎年どこかの大学で出る鉄板パターン。



